☆離婚関連コラム☆ 内縁の難しさ |
昨今、婚姻届を役所に提出せず内縁関係を継続しているカップルが増えているようです。 婚姻による氏の変更が仕事に影響することを避けたり、子どもができるまでは籍を入れないなど その理由は様々です。 また、自分たちだけでは解決できない問題により、婚姻関係になれない男女もいることでしょう。 今回例に挙げたいのは、若いカップルではなく、長年連れ添ってきた熟年の男女です。 内縁とは届出もなく、片方が別れると言えば簡単に関係が崩れてしまう、とても心もとないものです。 最近では内縁関係を法律で保護するようになってきましたが、現実にはすべて婚姻関係にある 夫婦のようにはいきません。 しかし、内縁関係の男女であっても、日常生活は通常の夫婦と変わるところはありません。 例に挙げるカップルも一般的な夫婦のように、長い間二人の生活を送ってきました。 しかし年を重ねた内縁関係の男女は、お互いに病気がちになり、男性は入院を余儀なくされました。 女性は自分の体調が優れなくとも毎日病室を訪れ、男性の看病をしていました。 周りの人たちからは、一般的な夫婦と見えていたことでしょう。 ある日、医師が手術の同意書の件で女性を呼びました。 その時、医師は女性が男性の妻ではないことを知り、家族でなければ書類が作成できない旨を 女性に伝えました。 女性は長年一緒に過ごした男性との関係を、自分では普通の夫婦と何も変わりが無いと 考えていたので、医師の対応に不安を覚えました。 それから数年後、男性は亡くなりました。 お葬式のときに女性は男性の兄弟に呼ばれ、男性の遺産について追求されました。 法律的には戸籍上の配偶者でなければ相続はできません。 それを兄弟たちはよく知っていました。 女性は兄弟たちと争うことを避けるため、男性名義の貯金等はすべて渡してしまいました。 このように相続に関しては、一番身近な存在である人が他人の場合には、上記のようなケースが よく起こります。例えば亡くなった夫の両親(義父母)の介護をしているお嫁さんなども同様で 他人であるため、義父母が亡くなったときの法定相続人にはなれません。 しかし、例に挙げた内縁関係の場合、亡くなった男性は長年連れ添って最後まで看病をしてくれた 女性に遺産を残したかったのではないでしょうか。 相続は戸籍が重要です。そして配偶者とは大きな割合で相続ができるのです。 もし婚姻関係であったなら、二人の間に子がなかったため、男性の遺産のほとんどを 女性が相続することになっていたでしょう。 また、男性に法律知識が少しでもあったなら、女性に対し遺言を残すことも、生前贈与することも 可能だったと思います。 たった一枚の紙切れですが、婚姻届は国が推奨している家族制度をつくるものです。 そのため婚姻関係には法律による保護があります。 離婚について悩んでいる方の中には、内縁が結婚に縛られない自由な関係ではないかと 思われるかもしれません。 しかし現実に何にも縛られるものが無いのであれば、お互いの信頼や思いやりを継続しなければ 関係を続けることが、すぐに困難になってしまいます。 また、男女が内縁関係を選択するのであれば、普通の夫婦以上に相手のこと、 お互いの将来のことを考える必要があるでしょう。 そして自ら行動し、法律を味方につけることも、パートナーに対するひとつの愛情ではないかと思います。 HOME ご意見・ご感想はこちらへ⇒ ![]() |